都雅とが)” の例文
初更しよかういたるや、めるつまなよやかにきて、粉黛ふんたい盛粧せいしやう都雅とがきはめ、女婢こしもとをしてくだん駿馬しゆんめ引出ひきいださせ、くらきて階前かいぜんより飜然ひらりる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
為永ためなが式の痴呆じみた美人相ではなく、都雅とが艶麗なうちに微妙な威容を含み、教養ある欧州のレヂーに比してすこしも遜色がない。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すると、秋蘭の皮襖ピーオの襟からは、初めて、典型的な支那婦人の都雅とがな美しさが匂いのように流れて来るのであった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
間もなくその都雅とがな生活を捨てて、本来の田舎漢いなかものかえった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)