“都人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みやこびと68.2%
とじん18.2%
こゝびと9.1%
ここびと4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと、寝がえりを打つと、すぐ自分の鼻の先に、撫子なでしこに似た真っ赤な花が咲いていた。それは、都人みやこびとの彼には、名も知れない花だった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
何を以てか俳句本来の面目となすや。仏教的哀愁と都人とじん特有の機智きち諧謔かいぎゃく即ちこれなり。この二者あつて初めて俳諧狂歌は生れ来りしなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
酒折さかをりの宮、山梨の岡、鹽山、裂石さけいし、さし手の名も都人こゝびとの耳に聞きなれぬは、小佛こぼとけさゝの難處を越して猿橋のながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
酒折さかをりの宮、山梨の岡、塩山ゑんざん裂石さけいし、さしの名も都人ここびとの耳に聞きなれぬは、小仏こぼとけささ難処なんじよを越して猿橋さるはしのながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)