“裂石”の読み方と例文
読み方割合
さけいし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酒折さかをりの宮、山梨の岡、鹽山、裂石さけいし、さし手の名も都人こゝびとの耳に聞きなれぬは、小佛こぼとけさゝの難處を越して猿橋のながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
裂石さけいしの雲峰寺の石段の前に通りかかった時分、紳士もあれば商人も、学生もある一行が現われて、いつか、その旅人の馬をからんで峠路を登りながら話なじみになる。
山道 (新字新仮名) / 中里介山(著)
裂石さけいしの山門に休んでいると、一陣の南風が甲府盆地から吹き上げて来て、濃い霧のようなものがわずかに開けている視界を遮ったと思う間もなく、紛々として大雪が襲って来た。
初旅の大菩薩連嶺 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)