裂石さけいし)” の例文
酒折さかをりの宮、山梨の岡、鹽山、裂石さけいし、さし手の名も都人こゝびとの耳に聞きなれぬは、小佛こぼとけさゝの難處を越して猿橋のながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
裂石さけいしの雲峰寺の石段の前に通りかかった時分、紳士もあれば商人も、学生もある一行が現われて、いつか、その旅人の馬をからんで峠路を登りながら話なじみになる。
山道 (新字新仮名) / 中里介山(著)
裂石さけいしの山門に休んでいると、一陣の南風が甲府盆地から吹き上げて来て、濃い霧のようなものがわずかに開けている視界を遮ったと思う間もなく、紛々として大雪が襲って来た。
初旅の大菩薩連嶺 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
酒折さかをりみや山梨やまなしをか鹽山ゑんざん裂石さけいし、さし都人こゝびとみゝきなれぬは、小佛こぼとけさゝ難處なんじよして猿橋さるはしのながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひるほどのさともなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おそらく、過日の武者修行が、裂石さけいしの雲峰寺で、炉辺ろへんの物語の種としたのは、途中、このお松の蛇の目姿にであって、それに潤色と、誇張とを加えたのかも知れません。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
酒折さかをりの宮、山梨の岡、塩山ゑんざん裂石さけいし、さしの名も都人ここびとの耳に聞きなれぬは、小仏こぼとけささ難処なんじよを越して猿橋さるはしのながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここは塩山えんざんを去ること三里、大菩薩峠のふもとなる裂石さけいし雲峰寺うんぽうじでもその噂であります。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)