大正十何年の五月、甲斐の国の塩山の駅から大菩薩峠に向って馬を進めて行く一人の旅人がありました。 中折の帽子をかぶって、脊広の洋服に糸楯、草鞋脚半といういでたちで頬かむりした馬子に馬の口を取らせて、塩山からほぼ、三里の大菩薩峠を目ざして行く時 …
著者 | 中里介山 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「改造」1926(大正15)年7月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約15分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約25分(300文字/分) |