“糸楯”の読み方と例文
旧字:絲楯
読み方割合
いとだて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いやにしらっぱくれた挨拶あいさつをする者がありましたから、関守氏が振返って見ると、三度笠に糸楯いとだての旅慣れた男が一人、小腰をかがめている。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
雨のしょぼしょぼ降る午後の二時頃菅笠すげかさをかぶり、糸楯いとだてを着て、わらじがけでとぼとぼと峠を上ると、鬱蒼うっそうとして頭の上に茂った椎の木の梢で、男と女の声がする。
怪談 (新字新仮名) / 平山蘆江(著)
藪蔭やぶかげから出て来た金蔵は、糸楯いとだてを背に負って、小さな箱をすじかいに肩へかけて、旅商人ていに作っていました。