“見恍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みと95.7%
みほ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう彼は呟いたまま、しばらく女の寝顔に見恍みとれていたが、何と思ったかきゅうに首を縮めて、またすっぽり夜着を引被ひっかぶってしまった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
その視線をうけているのをまだ気づかずに、これも頻りに芸人の刀玉取に見恍みとれながらにこにこしていた若い旅支度の商人風な男がある。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが、人間をはばむ魔氷の底かと、時々四人はぐるりの壁に見恍みほれるのである。そのうち、ケルミッシュがアッと叫んだ。みると、氷のむこうにまっ黒な影がみえる。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さんとした黄金づくりのお顔のこまやかな刻み目にも、もはや古いほこりがつやをつくって沈んでみえ、筒井は両のたなごころにえてしばらく、じっと拝するがごとく見恍みほれた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)