“見恍(みほ)” の例文
これが、人間をはばむ魔氷の底かと、時々四人はぐるりの壁に見恍(みほ)れるのである。そのうち、ケルミッシュがアッと叫んだ。みると、氷のむこうにまっ黒な影がみえる。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
燦(さん)とした黄金づくりのお顔のこまやかな刻み目にも、もはや古い埃(ほこり)がつやをつくって沈んでみえ、筒井は両のたなごころに据(す)えてしばらく、じっと拝するがごとく見恍(みほ)れた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)