“形成”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたちづく52.6%
かたちづ10.5%
けいせい10.5%
かたちつく5.3%
かたちづくり5.3%
かたづく5.3%
つくりな5.3%
ゲシタルツング5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうしてこの一群の立ち去った後は、嶮しい山と急流はや渓川たにがわとで、形成かたちづくられている十津川郷の、帯のように細い往来には、人の影さえまばらであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いろいろの手蔓てづるを求めては、美しい女を狩り集めて来て、どころ利き所の諸侯へ勧めて、その側室とすることによって、一種の閨閥けいばつ形成かたちづくった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大坂おおさかはまだ三ごうとも、城下じょうかというほどな町を形成けいせいしていないが、急ごしらえの仮小屋かりごやが、まるでけあとのようにできている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来伏木ふしき直江津間の航路の三分の一は、はるかに能登半島の庇護ひごによりて、からくも内海うちうみ形成かたちつくれども、とまり以東は全く洋々たる外海そとうみにて、快晴の日は、佐渡島の糢糊もこたるを見るのみなれば、四面しめん淼茫びょうぼうとして
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されども、おのづか見識越みしりごしならぬはあきらかなるに、何がゆゑに人目をさくるが如きかたちすならん。華車きやしやなる形成かたちづくりは、ここ等辺らあたりの人にあらず、何人なにびとにして、何が故になど、貫一はいたづら心牽こころひかれてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
自ら新しい歌の鑑賞家を以て任じてゐ乍ら、何時となく歌は斯ういふもの、斯くあるべきものといふ保守的な概念を形成かたづくつてさうしてそれに捉はれてゐる人に違ひない。
歌のいろ/\ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
丈なす雑草が左右に靡き、彼らの走り過ぎた道順だけ、広く道を形成つくりなした。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼はこの世界にさし込んで來る光か、この世界の底を流れてゐる流れかを探り當てるに從つて漸くその正念ルーエを囘復して來る。さうして彼の藝術の世界の形成ゲシタルツングと結晶とが始つて來る。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)