都人とじん)” の例文
何を以てか俳句本来の面目となすや。仏教的哀愁と都人とじん特有の機智きち諧謔かいぎゃく即ちこれなり。この二者あつて初めて俳諧狂歌は生れ来りしなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
したがってこれは自然屠者の職となり、ついには都人とじんの耳に、口に、聞き慣れ、言い慣れた「ゑとり」ということばが、一般に屠者すなわち殺生者の名として呼ばれることになりました。
わたくしは銀座に立てられた朱骨のぼんぼりと、赤坂溜池ためいけの牛肉屋の欄干が朱で塗られているのを目にして、都人とじんの趣味のいかに低下しきたったかを知った。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
都人何雑沓 都人とじんなん雑沓ざっとうして
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)