とが)” の例文
けれども乃公のとがじゃない。先方むこうが無暗に引張るから悪い。乃公は唯縄の端を堅く握っていたばかりだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
光源氏、光源氏と、(好色の人として)評判のみはことごとしく、世人に非難されるとがが多い。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
翁もたねがへりの数に夢幾度いくたびかとぎれけむ、むく/\と起きて我を呼び、これより談話俳道の事、戯曲の事にたけなはにして、いつるべしとも知られず。われはねむりの成らぬを水のとがに帰して
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
従って人に非難されるとが、隠密の情事とは、後の巻々に描けることであり、「語り伝へけむ」とはこの物語、この後の巻々のことである(玉の小櫛。全集五の一二六三)。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)