蝱の囁きあぶのささやき――肺病の唄――――はいびょうのうた――
六月の爽やかな暁風が、私の微動もしない頬を撫た。私はサッキから眼を覚ましているのである。 この湘南の「海浜サナトリウム」の全景は、しずしずと今、初夏の光芒の中に、露出されようとしている。 耳を、ジーッと澄ましても、何んの音もしない。向うの崖 …
作品に特徴的な語句
執拗しつっこ はき うわ 生々ういうい 青木やつ 耳朶みみたぼ とが 俯伏うつぶせ こら 息吹いき 仰向あおむけ 刺青いれずみ はさ さぐ なで くす 滲透しみとお 白粉しろい うらやま かげ 芝生ローン 調しらべ 不味まず うち 亭々ていてい 仄々ほのぼの 仰言おっしゃ 何時いつ わび 偸見ぬすみみ まま 兵古へこ くぼ 匆々そうそう 卓子テーブル 単衣ひとえ 口吟くちずさ 可笑おか 吃驚びっくり いな あお 咽喉のど すす あえ わら うが 嫋々じょうじょう やす 寝衣ねまき とが すくな 恰度ちょうど もだ 惚々ほれぼれ ものう 成河なりかわ 手拭てぬぐい 抽斗ひきだし たか 暁風あさかぜ 暢気のんき 杏二きょうじ 欠伸あくび 毳毛うぶげ うか なみだ はて にじ ただよ つぶ たん なお 睫毛まつげ まぶた あお ほころ すべ 罌粟けし 脇窩わきあな 良人おっと あかね 葦簾よしず はなびら さげす しべ つぼみ 虫酸むしず あぶ 衣紋えもん 諸口もろぐち 這入はい 邪慳じゃけん 金盥かなだらい 関釜かんぷ