六月の爽やかな暁風が、私の微動もしない頬を撫た。私はサッキから眼を覚ましているのである。 この湘南の「海浜サナトリウム」の全景は、しずしずと今、初夏の光芒の中に、露出されようとしている。 耳を、ジーッと澄ましても、何んの音もしない。向うの崖 …
著者 | 蘭郁二郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「探偵文学」1936(昭和11)年7月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約26分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約43分(300文字/分) |
著者 | 蘭郁二郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「探偵文学」1936(昭和11)年7月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約26分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約43分(300文字/分) |