“息吹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いぶ49.3%
いぶき49.3%
いき1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、団結的思想の力強い熱狂と戦争の息吹いぶきとを、民衆のうちに伝播でんぱしてる精神的伝染病に、自分も感染してるのが感ぜられた。
しばらくして、この傘を大開きに開く、鼻をうそぶき、息吹いぶきを放ち、毒を嘯いて、「取てもう、取て噛もう。」と躍りかかる。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さりとて、身震みぶるいでもなく、いわばそれは何かの息吹いぶきか、それとも誰かが近づいてくる気配とでも言うか、そんな感じであった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
アンナ・セルゲーヴナの様子は見る眼もいじらしく、その身からは、しつけのいい純真な世慣れない女性の清らかさが息吹いぶいていた。
かつては、余りに神格化されすぎた大楠公だったし、近来の研究では、その人を人間として息吹いぶき返させる史料にも、じつに乏しい。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またこの円柱は光りばかりでなく、千二百年のあいだ、金堂にもうでた人々の息吹いぶきや体臭や衣の香りまでも吸い込んでいるにちがいない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
それだけに、おごそかな天の荒ら息吹いぶきを真向にうけるのだから、弱虫やなまけ者、卑劣漢や臆病ばらには、とうてい辛抱しきれるものではあるまい。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
そしてその巧なうちに、この女性の息吹いぶきをも感ずるので宅守は気乗きのりしたものと見えるが、宅守の方が受身という気配けはいがあるようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それ以来この家には住む人もなく、すべて生命の息吹いぶきを伝える人のなくなった住居に見られるとおり、しだいに荒廃に帰してしまった。
お清書の直しに朱墨しゅずみの赤丸が先生の手でつけられてゆくのを見ていると、屏風の絵の寒山拾得かんざんじっとくとおんなじような息吹いぶきをしているように
私は食事をすますと、その足でマダムを見舞った。マダムは真白いベッドの中に落ち窪んだように寝、蒼白な額にはベットリと寝汗をかいて、荒い息吹いきが胸の中で激しい摩擦音をたてていた。