“息杖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いきづえ91.3%
いきづゑ8.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、箱根へ湯治にいったとき、駕籠舁かごかきから息杖いきづえを買って帰り、その杖に諸家から題詩を貰って彫りつけ柱に掛けて自慢していた。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
脱ぎ捨てた雪駄を、ぽんとちりを払って中に突っ込んだ駕籠舁——肩を入れて、息杖いきづえをぽんとついて、掛声と一緒に小刻みで走り出す。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
せよと言ひながら腰の一刀引拔ひきぬきつゝ身構みがまへなせばわるものどもは打笑ひ何の小癪こしやくあをさい息杖いきづゑとりのべ打てかゝるを此方はさわがず切拂ひ又打込を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
權三は土間に飛び降りて、駕籠の息杖いきづゑを持ち來れば、おかんはいくゞりて駕籠のかげに隱れるを、權三は杖をふりあげて追ひまはす。上のかたより猿まはし與助は商賣に出る姿にて、猿を
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)