“息苦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いきぐる90.0%
くる10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さうしてその四かくあななかから、すすとかしたやうなどすぐろ空氣くうきが、にはか息苦いきぐるしいけむりになつて濛濛もうもう車内しやないみなぎした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先刻さつきまであをかつたそらも、何時いつとはなし一めん薄曇うすぐもつて、其処そこらがきふ息苦いきぐるしく、頭脳あたまは一さうおしつけられるやうになる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼は一際もの凄い声で⦅息苦くるしい!⦆と叫ぶと、地下へ戻つて行つた。三番目の十字架が揺れ出して、三人目の死人が立ちあがつた。
⦅ああ息苦くるしい、息苦くるしい!⦆さう、彼は人間らしくない奇怪な声で呻いた。その声はやいばのやうに人の胸を貫いた。が、不意に死人は地の下へ消え失せてしまつた。