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息苦
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いきぐる
さうしてその四
角な
穴の
中から、
煤を
溶したやうなどす
黒い
空氣が、
俄に
息苦しい
煙になつて
濛濛と
車内へ
漲り
出した。
先刻まで
蒼かつた
空も、
何時とはなし一
面に
薄曇つて、
其処らが
急に
息苦しく、
頭脳は一
層圧つけられるやうになる。
毒のある
針でちくちく
刺されるような
痛みを、
柔らかな
肌に
感じたばかりでなく、
息苦しくなって、しまいには
酔ったもののように、
頭が
重くなって
今年は
非常な
暑さだつた。また
東京らしくない、しめり
氣を
帶びた
可厭な
蒸暑さで、
息苦しくして、
寢られぬ
晩が
幾夜も
續いた。おなじく
其の
夜も
暑かつた。
「ああ、
水が
飲みたい。ああ、
息苦しくなった。」と、
道々、
葉は
訴えましたけれど、
幹は、
黙っていました。
僕はこう云う対話の
中にだんだん
息苦しさを感じ出した。
早や、
煙に
包まれたやうに
息苦しい。
勇敢なつばめは、
軒下をくぐって、
店のおくまではいりました。はたして、
魚たちはせとびきの
容器にはいって、
息苦しそうに、あふあふとあえいでいました。
「
兄さん、
息苦しい
世の
中になったんだね。」と、
少年は、いいました。