“蒸暑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしあつ92.0%
むしあつさ8.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するとある蒸暑むしあつい午後、小説を読んでいた看護婦は突然椅子いすを離れると、寝台の側へ歩み寄りながら、不思議そうに彼の顔をのぞきこんだ。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蒸暑むしあつうちにもすべてがみづやうつきひかりびてすゞしい微風びふうつちれてわたつた。おつぎはうすからもち拗切ねぢきつて茗荷めうがせてひとつ/\ぜんならべた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして夕風のぱつたり凪ぐやうな晩には、暑さは却て眞夏よりも烈しく、夜ふけの空にばかり、稍目立つて見え出す銀河の影を仰いでも、往々にして眠りがたい蒸暑むしあつさに襲はれることがある。
虫の声 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
そして夕風のぱったりぐような晩には、暑さはかえって真夏よりも烈しく、夜ふけの空にばかり、やや目立って見え出す銀河の影をあおいでも、往々にして眠りがたい蒸暑むしあつさに襲われることがある。
虫の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)