“蒸々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしむし80.0%
じよう/\20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜深しに汗ばんで、蒸々むしむしして、咽喉のどの乾いた処へ、その匂い。血腥ちなまぐさいよりたまりかねて、縁側を開けて、私が一番に庭へ出ると、みんな跣足はだしで飛下りた。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
信長がそれをり、秀吉がたばね、家康が地ならしと建築にかかりかけているが、まだ、まだ、危ないことは、附火木つけぎの火一ツで、天下を火となさんず気ぶりも蒸々むしむしと、西には満ちている。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とろりと澄んだ濃藍の長瀞ながとろに、樹の梢は、すくすくと延び上つて、水鏡をしてゐる、川はひつそりと音もなく、蒸々じよう/\と立ちのぼる峡谷の朝霧の底を、櫓の音が、ギイギイと静かにひゞく
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)