虫の声むしのこえ
東京の町に生れて、そして幾十年という長い月日をここに送った……。 今日まで日々の生活について、何のめずらしさをも懐しさをも感じさせなかった物の音や物の色が、月日の過ぎゆくうちにいつともなく一ツ一ツ消去って、ついに二度とふたたび見ることも聞く …
作品に特徴的な語句
習慣くせ 一時ひとしきり そよ むな 此方こなた のち 蒸暑むしあつさ なで 調しらべ 何故なにゆえ 石蕗つわ あお 驟雨ゆうだち かおり かじ うかが 芥箱ごみばこ 荷船にぶね しお ほころ 稽古けいこ まれ つる 糸瓜へちま みち 黄昏たそがれ うぐいす ひげ ひびき かり すずめ かど たくま 辿たど おお 跫音あしおと 跡方あとかた 語草かたりぐさ あわせ 蟷螂かまきり せみ 蜻蜒とんぼ こおろぎ はげ つぼみ あじわ よい 夜網よあみ 夜毎よごと ほか 夕涼ゆうすずみ さえず やかま 啼過なきすぐ 南瓜かぼちゃ 初音はつね はじめ 俯向うつむ ためし もっ 中日ちゅうにち うち 木犀もくせい 瞑想めいそう 生命いのち 火影ほかげ 湧起わきおこ 渡場わたしば 消去きえさ なげ 梵鐘ぼんしょう こずえ 短夜みじかよ 時鳥ほととぎす 時雨しぐれ 挨拶あいさつ せわ 待詫まちわび 往来ゆきき 彼方かなた 彼岸ひがん
題名が同じ作品
虫の声 (旧字旧仮名)永井荷風 (著)