“夜網”の読み方と例文
読み方割合
よあみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京橋築地の土佐堀では小鯔いなが多く捕れるというので、ある大工が夜網よあみに行くと、すばらしい大鯔おおぼらが網にかかった。
有喜世新聞の話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
舞台はあい愛する男女の入水じゅすいと共に廻って、女の方が白魚舟しらうおぶね夜網よあみにかかって助けられる処になる。再び元の舞台に返って、男も同じく死ぬ事が出来なくて石垣の上にあがる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ことに夜網よあみの船のふなばたって、音もなく流れる、黒い川をみつめながら、夜と水との中に漂う「死」の呼吸を感じた時、いかに自分は、たよりのないさびしさに迫られたことであろう。
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)