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夜網
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よあみ
ふりがな文庫
“
夜網
(
よあみ
)” の例文
京橋築地の土佐堀では
小鯔
(
いな
)
が多く捕れるというので、ある大工が
夜網
(
よあみ
)
に行くと、すばらしい
大鯔
(
おおぼら
)
が網にかかった。
有喜世新聞の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
舞台は
相
(
あい
)
愛する男女の
入水
(
じゅすい
)
と共に廻って、女の方が
白魚舟
(
しらうおぶね
)
の
夜網
(
よあみ
)
にかかって助けられる処になる。再び元の舞台に返って、男も同じく死ぬ事が出来なくて石垣の上に
這
(
は
)
い
上
(
あが
)
る。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ことに
夜網
(
よあみ
)
の船の
舷
(
ふなばた
)
に
倚
(
よ
)
って、音もなく流れる、黒い川をみつめながら、夜と水との中に漂う「死」の呼吸を感じた時、いかに自分は、たよりのないさびしさに迫られたことであろう。
大川の水
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私が
夜網
(
よあみ
)
にゆく道で逢ったところが、なんでも
一所
(
いっしょ
)
にゆくというので出かけて、だんだん夜が
更
(
ふ
)
けてから、ふと気がつくと、今までそこに立って網をもっていた
何
(
なに
)
さんの姿がなくなっている。
人魂火
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それも
燈火
(
あかり
)
がなくては水上の巡廻船に
咎
(
とが
)
められる恐れがありますから、漁師が
夜網
(
よあみ
)
など打ちにまいるとき使う、
巡査
(
おまわり
)
さんが持っていらっしゃる
角燈
(
かくとう
)
のようなものまで注意して持ってきているから
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
舞台は
相愛
(
あひあい
)
する男女の
入水
(
じゆすゐ
)
と共に
𢌞
(
まは
)
つて、女の
方
(
はう
)
が
白魚舟
(
しらうをぶね
)
の
夜網
(
よあみ
)
にかゝつて助けられる
処
(
ところ
)
になる。再び
元
(
もと
)
の舞台に返つて、男も同じく死ぬ事が
出来
(
でき
)
なくて
石垣
(
いしがき
)
の上に
這
(
は
)
ひ
上
(
あが
)
る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
僕の父の友人の
一人
(
ひとり
)
は
夜網
(
よあみ
)
を打ちに出てゐたところ、何か
舳
(
とも
)
へ
上
(
あが
)
つたのを見ると、
甲羅
(
かふら
)
だけでも
盥
(
たらひ
)
ほどあるすつぽんだつたなどと話してゐた。僕は勿論かういふ話を
尽
(
ことごと
)
く事実とは思つてゐない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
油紙で張った雨傘に
門
(
かど
)
の
時雨
(
しぐれ
)
のはらはらと降りかかる
響
(
ひびき
)
。夕月をかすめて
啼過
(
なきすぐ
)
る
雁
(
かり
)
の声。
短夜
(
みじかよ
)
の夢にふと聞く
時鳥
(
ほととぎす
)
の声。雨の夕方
渡場
(
わたしば
)
の船を呼ぶ人の声。
夜網
(
よあみ
)
を投込む水音。
荷船
(
にぶね
)
の
舵
(
かじ
)
の響。
虫の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
船頭が篝火を焚きながら
夜網
(
よあみ
)
を打つてゐる水の上に、寺の鐘がゴオンと響いてくる暗い景色や、或は野薔薇の花が星のやうに咲く古城の壁に月の光の蒼くさまよふ夜のさまなど、近松、默阿彌
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
網
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業