“荷船”の読み方と例文
読み方割合
にぶね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕焼ゆうやけの空は堀割に臨む白い土蔵どぞうの壁に反射し、あるいは夕風をはらんで進む荷船にぶねの帆を染めて、ここにもまた意外なる美観をつくる。
どの運河カナルの水も鏡のやうに明るくてゐどのやうに深く、その上に黄いろくんだ並木や、淡紅うすあかく塗つた家の壁や、いろいろにいろどつた荷船にぶねやが静かに映つて居るのを見ると
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
たちまともしびの光の消えて行くようにあたりは全体に薄暗く灰色に変色して来て、満ち来る夕汐ゆうしおの上を滑って行く荷船にぶねの帆のみが真白く際立きわだった。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)