“啼過”の読み方と例文
読み方割合
なきすぐ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
油紙で張った雨傘にかど時雨しぐれのはらはらと降りかかるひびき。夕月をかすめて啼過なきすぐかりの声。短夜みじかよの夢にふと聞く時鳥ほととぎすの声。雨の夕方渡場わたしばの船を呼ぶ人の声。夜網よあみを投込む水音。荷船にぶねかじの響。
虫の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)