“跡方”の読み方と例文
読み方割合
あとかた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのほの暗い車室の中に、私達二人丈けを取り残して、全世界が、あらゆる生き物が、跡方あとかたもなく消えせてしまった感じであった。
押絵と旅する男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし其処そこまで出ることは出られたが、数年前まで其処にごとごとと音立てながらまわっていた古い水車はもう跡方あとかたもなくなっていた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
片足でケンケンしているような危なッかしさに、自分自身に腹たてながら、そのくせ、昨日たてたプランも今日は跡方あとかたもなく見失ってしまう。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)