“跡絶”の読み方と例文
読み方割合
とだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
去年蘆屋の家で月見をした時の情景を昨日のことのように思い浮かべたこと、などを感傷的に書いて来たが、それから又しばらく音信が跡絶とだえた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
相手は口をさしはさまず、默つて聞いてゐるだけなのに、その差が重くのしかかつて、ややもすれば言葉が跡絶とだえた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
かの女はあまり青年の手紙が跡絶とだえたので、もうあれが最後だったのかと思って、時々取り返しのつかぬ愛惜を感じ、その自分がまた卑怯ひきょう至極しごくに思われて
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)