“湧起”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わきおこ90.9%
ゆうき9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いよいよ湧起わきおこる妄想の遣瀬やるせなさに、君江は軽くまぶたを閉じ、われとわが胸を腕の力かぎり抱きしめながら深い息をついて身もだえした。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ついに非望のげられないことをさとった紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったにちがいない道義的慚愧ざんきの念が、この時忽焉こつえんとして湧起わきおこった。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
自分には如何なる外国の傑作品をも聯想れんそうせしめない、全く特種の美しい空想を湧起ゆうきせしめた事を記憶している。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)