“湧上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わきあが92.9%
わきのぼ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この、ものしずかなお澄が、あわただしく言葉を投げて立った、と思うと、どかどかどかと階子段はしごだんを踏立てて、かかる夜陰をはばからぬ、音が静寂間しじま湧上わきあがった。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
琴の糸のかなで出すあやは、彼女の空想を一ぱいにふくらませ、どの芽から摘んでいいかわからない想いが湧上わきあがるのだ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あるじが落着いてしずかにいうのを、お民は激しく聞くのであろう、潔白なるそのかんばせに、湧上わきのぼるごとき血汐ちしおの色。
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)