“待詫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まちわび66.7%
まちわ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは梵鐘ぼんしょうの声さえ二三年前から聞き得なくなった事を、ふと思返して、一年は一年よりさらにはげしく、わたくしはせみこおろぎの庭に鳴くのを待詫まちわびるようになった。
虫の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
拔出ぬけいだし麹町三丁目へ到り其所そこか此所かと尋ぬるうちに門札かどふだに村井と表名へうめいの有りければ心嬉こゝろうれしく爰が長庵のたくにて小夜衣はさぞ待詫まちわびつらんと玄關形げんくわんかたちの履脱くつぬぎへ立入て案内を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お勢の落着たに引替え、文三は何かそわそわし出して、出勤して事務を執りながらもお勢の事を思い続けに思い、退省の時刻を待詫まちわびる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
トいう光景ありさまで、母親も叔父夫婦の者もあてとする所は思い思いながら一様に今年のれるを待詫まちわびている矢端やさき
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)