“まちわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
待侘63.6%
待佗27.3%
待詫9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何時来るかも知れないような春を待侘まちわび、身の行末を案じわずらうような異郷の旅ででもなければ、これほど父の愛を喚起よびおこす事もあるまいかと思われた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
雨の降る旅館の欄干にもたれています。粗末な昼飯を仕出屋が道の上に岡持で運んで来ます。所在なくてそれをしも待佗まちわびるものゝ一つにする籔塚鉱泉の二日泊り。山一つ彼方へ越します。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お勢の落着たに引替え、文三は何かそわそわし出して、出勤して事務を執りながらもお勢の事を思い続けに思い、退省の時刻を待詫まちわびる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
トいう光景ありさまで、母親も叔父夫婦の者もあてとする所は思い思いながら一様に今年のれるを待詫まちわびている矢端やさき
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)