“初音”の読み方と例文
読み方割合
はつね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからまた、現在の二葉屋ふたばやのへんに「初音はつね」という小さな汁粉屋しるこやがあって、そこの御膳汁粉ごぜんじるこが「十二か月」のより自分にはうまかった。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
初音はつねサンという人だ。先夫が病死して、子がなかったから、生家に戻っていた。まだ三十であった。すこぶるの美人であった。
発掘した美女 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
うぐいすは身をさかしまにして初音はつねを張る。余は心を空にして四年来のちりを肺の奥から吐き出した。これも新聞屋になった御蔭おかげである。
入社の辞 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)