“語草”の読み方と例文
読み方割合
かたりぐさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
芝浦しばうらの月見も高輪たかなわ二十六夜待にじふろくやまちも既になき世の語草かたりぐさである。南品なんぴんの風流を伝へた楼台ろうだいも今はたゞ不潔なる娼家しやうかに過ぎぬ。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「左馬介どのか。今ほどはまことにお見事であった。よい語草かたりぐさをおのこしなされたぞ。はや最期のお支度と察しるが、此方に物申したいとはいかなる儀か」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恨むもの、恨まれるもの、共に亡び去ったのだから、事件がこれ以上続きよう筈はなかった。さしもの大事件も、山本始の自殺を境として、もう過去の語草かたりぐさとなってしまったのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)