“いきぐる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
息苦52.9%
呼吸苦35.3%
呼苦5.9%
気息苦5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先刻さつきまであをかつたそらも、何時いつとはなし一めん薄曇うすぐもつて、其処そこらがきふ息苦いきぐるしく、頭脳あたまは一さうおしつけられるやうになる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そこにはねだいがあって、髪の黒い、黄いろな顔をした男が、呼吸苦いきぐるしそうにして左枕ひだりまくらに寝ていた。主翁はこれが御病気だと云う伯爵の殿様だなと思った。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
謙作は呼苦いきぐるしい眠りから覚めた。それは花園かえんの中を孔雀くじゃくか何かのようにして遊び狂うていた鳥のつばさが急にばらばらと落たような気もちであった。彼は二三度大きくいきをしてから眼を開けた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
其所そこへ彼女の癇性かんしょうが手伝った。彼女はどんなに気息苦いきぐるしくっても、いくらひとから忠告されても、どうしてもながら用を足そうといわなかった。うようにしてでもかわやまで行った。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)