“酔”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
38.9%
よい17.8%
12.9%
えい9.9%
6.6%
ゑひ5.9%
よっ3.0%
よひ1.7%
すい0.3%
のん0.3%
へべ0.3%
へゞ0.3%
よえ0.3%
よつ0.3%
よは0.3%
ゑう0.3%
ゑは0.3%
アルコール0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼がいかる時はわにのごとく、った時は河童かっぱのごとく、しかしてねむった時は仏顔ほとけがおであったかも知れぬ。また半耳君はんじくんにしても然りである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのうちにあまがえるは、だんだんよいがまわって来て、あっちでもこっちでも、キーイキーイといびきをかいててしまいました。
カイロ団長 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
二郎はいたくい、椅子のうしろに腕を掛けて夢現ゆめうつつの境にありしが、急に頭をあげて、さなりさなりと言い、再びまなこを閉じ頭をれたり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
破穴やぶれあなからのぞいていますが、これを少しも知りませんで、又作はぐい飲み、猪口ちょくで五六杯あおり附け、追々えいが廻って来た様子で
もしやと聞着けし車の音はやうやちかづきて、ますますとどろきて、つひ我門わがかどとどまりぬ。宮は疑無うたがひなしと思ひて起たんとする時、客はいとひたる声して物言へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
電車に乗つてから、暫らくの間信一郎は夫人に対するゑひから、醒めなかつた。それは確かに酔心地ゑひごゝちとでも云ふべきものだつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
おその上に、この賤しむべき男が酒によって酔狂でもすれば自からいましめると云うこともあろうが、大酒の癖に酒の上が決して悪くない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あまつさよひじようじて、三人さんにんおの/\、うち三婦人さんふじんざうゆびさし、勝手かつて撰取よりどりに、おのれにはいして、むねで、うでし、みゝく。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まだすいせいの境をうろついていた女には、それほど世界が廻っているとは見えなかったらしく
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
向うは余所よその蔵で行詰ったが、いわゆる猫の額ほどは庭も在って、青いものも少しは見える。小綺麗さは、のんだくれには過ぎたりといえども、お増と云う女房の腕で、畳もあおい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
済みませんがお頼み申します、つい昨晩ゆうべへべまして、と後は云わず異な手つきをして話せば、眉頭まゆがしらしわをよせて笑いながら、仕方のないもないもの、少し締まるがよい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
済みませんが御頼み申します、つい昨晩ゆうべへゞまして、と後は云はず異な手つきをして話せば、眉頭に皺をよせて笑ひながら、仕方のないも無いもの、少し締まるがよい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二月こそ可けれ、三月四月に及びては、精神瞢騰もうとうとして常によえるが如く、身躰からだいたく衰弱しつ、元気次第に消耗せり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふさ燗瓶かんびんあげしやくをした。銀之助は会社から帰りに何処どこかで飲んで来たと見え、此時このときすでにやゝよつて居たのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
可厭いやよ、私は、そんなに酔つてゐちや。不断きらひの癖に何故なぜそんなに飲んだの。誰にのまされたの。端山はやまさんだの、荒尾さんだの、白瀬さんだのが附いてゐながら、ひどいわね、こんなによはして。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夕顔やゑうて顔出すまどの穴
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ほゝかみ其処そこにはむかしこひゆめのこつてゐるやうである。わたしは一しゆ美感びかんゑはされると同時どうじに、はげしいねたましさにむねむしられてゐる。可愛かあゆくもあるがにくくもおもつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼の頬もアルコールのために紅かった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)