“微酔”のいろいろな読み方と例文
旧字:微醉
読み方割合
ほろよい52.4%
びすい19.0%
ほろえい11.9%
ほろよ7.1%
ほろよひ4.8%
ほろゑひ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右側の欄干際に引添った二人のわきへ、すらりと寄ったが、お端折の褄を取りたそうに、左を投げた袖ぐるみ、手をふらふらと微酔ほろよいで。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
謙信の多感はなお微酔びすいをのこしているのか、夕餉ゆうげの後、ひとり唐琴を膝に乗せて、指に七絃を弾じ、微吟びぎんに万葉の古歌をうたっていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
びんのほつれ毛が顔へ懸りまして、少し微酔ほろえい白粉気おしろいけのあるところへぽッと桜色になりましたのは、べっして美しいものでございます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
紳士は微酔ほろよ機嫌きげんでよほど興奮しているものと見えて、私のいうことをさらに耳に入れない。行きなり疾走をはじめた二等室を追いかけて飛び乗りをしようとする。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
恁うした田舎の夜路を、何の思ふことあるでもなく、微酔ほろよひの足の乱れるでもなく、シツトリとした空気を胸深く吸つて、ブラリ/\と辿る心境ここちは、かれが長く/\忘れてゐた事であつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
されど熊は次第しだいなれ可愛かあいくなりしと語るうち、主人は微酔ほろゑひにて老夫らうふにむかひ、其熊は熊ではなかりしかと三人大ひに笑ひ、又酒をのませ盃の献酬やりとりにしばらく話消はなしきえけるゆゑしひ下回そのつぎをたづねければ