“よつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨツ
語句割合
亥刻54.3%
巳刻12.3%
10.6%
3.5%
2.9%
四歳2.3%
世嗣1.5%
亥時1.5%
1.2%
1.2%
0.9%
四刻0.9%
十時0.9%
四個0.6%
四頭0.6%
0.6%
0.6%
二更0.3%
0.3%
四時0.3%
四箇0.3%
四隻0.3%
団欒0.3%
0.3%
戌刻0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お客の帰った跡の取片付けを下役に申付けまして、自分は御前をさがり、小梅のお屋敷を出ますと、浅草寺あさくさ亥刻よつの鐘が聞えます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一行が市村座へついたのは巳刻よつ(午前十時)すぎで、茶屋からすぐ桟敷へ通ると、みすをおろして無礼講ぶれいこうの酒宴がはじまった。
まだまつたてないけむり便宜よすがに、あからめもしないでぢつときをんな二人ふたりそろつて、みはつて、よつツのをぱつちりとまたゝきした。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よつかくの如き獅子身中の虫を退治せんが為めに本組合ただちに彼を除名することの決議をして貰ひたい——緊急動議の要旨はれである
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
よつせいいへせり。の・老子らうしまなものすなは儒學じゆがくしりぞけ、儒學じゆがくまた老子らうししりぞく。『みちおなじからざれば、あひめにはからず』とは、あにこれ
おのれが乗物の顔して急ぐ気色けしきも無くすぐる後より、蚤取眼のみとりまなこになりて遅れじと所体頽しよたいくづして駈来かけくる女房の、嵩高かさだかなる風呂敷包をいだくが上に、四歳よつほどの子を背負ひたるが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
どうしてもよい世嗣よつぎを定めねばならぬ。この多事な日に、内は諸藩の人心をしずめ、外は各国に応じて行かねばならぬ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「お由良は昨夜亥時よつ(十時)過ぎに、お關母子のところへ來て、あんまりひどいことを言ふから、腹を据ゑ兼ねて毒の入つてゐる酒を呑ませたといふんだ」
そのうへ個人こじん經濟状態けいざいじやうたいよつ是非ぜひなく粗惡そあくしよく我慢がまんせねばならぬひともあり、是非ぜひなく過量くわりやう美味びみはねばならぬひともある。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
よつかなつとに好む所に、永く願はくは人間を辭せん、といつてゐる位に、名山の中にあくまでも浸りたがつた先生である。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
よつ三升みます目印めじるし門前もんぜんいちすにぞ、のどづゝ往来わうらいかまびすしく、笑ふこゑ富士ふじ筑波つくばにひゞく。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
もう四刻よつをまわっている。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
横網の河岸かしを五六間入ると、大きくはないが二階造りで、表に「葉名家」と軒行燈が出ている。——ようやく十時よつになったばかりであろう、間に合ってくれれば宜いと、勝手知った庭口から入った。
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
必らずしも雨霰の如くに小歇おやなくバラバラ降るのではなく何処いずくよりとも知らず時々にバラリバラリと三個みつ四個よつ飛び落ちて霎時しばらくみ、また少しく時を経て思い出したようにバラリバラリと落ちる。
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三頭みつ四頭よつも一斉に吠え立てるのは、ちょう前途ゆくて浜際はまぎわに、また人家が七八軒、浴場、荒物屋あらものやなど一廓ひとくるわになってるそのあたり。彼処あすこ通抜とおりぬけねばならないと思うと、今度は寒気さむけがした。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だがねえお八重さん、お定さんもだ、まあよつく考へて見るこつたね。俺は奈何どうでも構はねえが、彼方へ行つてから後悔でもする様ぢや、貴女方あんたがた自分のこつたからね。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
もつともいま神樂坂上かぐらざかうへ割烹かつぱう魚徳うをとく)の先代せんだいが(威張ゐばり)とばれて、「おう、うめえものはねえか」と、よつぱらつてるから盤臺ばんだい何處どこかへわすれて、天秤棒てんびんぼうばかりをりまはして歩行あるいたころで。……
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
り世間も何だか騷々さう/″\しく本もよんでも身に成ませねば二更よつでも打て親父が寢てからそつと忍んでゆき御本ごほん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ばあさんにも、おのぶにも少しも気がつかなかつた様子でしたが、私は子供心に此老夫婦のよろこびの中には私の一銭銅貨がよつほど役にたつて居るといふことを気づき升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
で、ホッと安心し、顔色を直した十兵衛が、明日は四時よつ立ちで帰家かえると云い、隣室へ引き取って行った後を、長庵胸へ腕を組んだが、さてこれからが大変である。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四箇よつ頭顱かしらはラムプの周辺めぐりに寄る池のこひの如くひしあつまれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その声を聞くとひとしく、白糸は背後うしろより組み付かれぬ。振り払わんとする間もあらで、胸もひしぐるばかりの翼緊はがいじめにえり。たちまちあらくれたる四隻よつの手は、乱雑に渠の帯の間と内懐とをかきさがせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まことに世の中は不幸なる人の集合あつまりと云うても差支さしつかへない程です、現に今まこゝ団欒よつてる五人を御覧なさい、皆な社会よのなか不具者かたはです、渡辺の老女さんは
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
すつかり自分と蝙蝠傘とを取り違へ、傘を暖炉ストーヴに暖ためながら、自分はよつぴて壁にもたれてゐたといふことだ。
小「お前さんは酒を三杯飲んだろうが、私は待ってる間におかちんを二タ切焼いて呉れたぎりだから腹がって仕様がない、もう直に戌刻よつになりますから早くきましょう」
唯日本、蕞爾さいじたる孤島によつて、(中略)行ふこと能はず。其の亡滅を取ること必せり。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
みづうつつきうばはんとする山猿やまざるよ、無芸むげい無能むのうしよくもたれ総身そうみ智恵ちゑまはりかぬるをとこよ、よつうをもとくさうつへびをどろ狼狽うろたへものよ、白粉おしろいせて成仏じやうぶつせんことねが艶治郎ゑんぢらう
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
差遣さしつかはすべし山中に地獄谷ぢごくだにと云處あり此所ここにて兩人を谷底たにそこ突落つきおとして殺し給へ必ず仕損しそんずる事あるまじ其留守るすには老僧らうそう天一を片付申すべし年はよつたれどもまだ一人や二人の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ヘエ、そしてよつちやん、う牢屋へ行らしつたのですか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ふさ燗瓶かんびんあげしやくをした。銀之助は会社から帰りに何処どこかで飲んで来たと見え、此時このときすでにやゝよつて居たのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)