“一廓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっかく56.5%
ひとくるわ30.4%
いつくわく4.3%
かく4.3%
ひとかこ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
住居も、一廓いっかくのうちに、家族たちのいる奥とよぶ所と、彼の愛妾あいしょうたちを置く、しもむねとよぶところと、ふた所にわかれている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それらの創口きずぐちから出るうらみの声が大連中に響き渡るほどすさまじかったので、その以後はこの一廓ひとくるわを化物屋敷と呼ぶようになった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御存ごぞんじのとほり、佐賀町さがちやう一廓いつくわくは、ほとんのきならび問屋とんやといつてもよかつた。かまへもほゞおなじやうだとくから、むかしをしのぶよすがに、その時分じぶんいへのさまをすこしいはう。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一廓かく、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきものなり。地主。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人とも、呼吸いきをのんだ。そこの大銀杏から小半町先の一廓ひとかこいに、館構やかたがまえが見え、古びた殿作とのづくりの屋根が、墨でいたように、赤松のこずえと、築地ついじの蔭に、沈んでいる。それはいい。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)