“ひとかこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一囲66.7%
一廓33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紫のとばりが、信長と蘭丸だけのいる一囲ひとかこいを、めぐっていた。近習の多くはみなともの方に陽の直射を浴びている。川舟なので屋形やかたは小さかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その側から、兵は、幕をひろげて、附近の松の木や合歓ねむの木の幹へ張りめぐらし、それのない所には、幕杭まくくいを打ち込んで、またたくうちに一囲ひとかこいの幕屋を作った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人とも、呼吸いきをのんだ。そこの大銀杏から小半町先の一廓ひとかこいに、館構やかたがまえが見え、古びた殿作とのづくりの屋根が、墨でいたように、赤松のこずえと、築地ついじの蔭に、沈んでいる。それはいい。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)