一囲ひとかこ)” の例文
紫のとばりが、信長と蘭丸だけのいる一囲ひとかこいを、めぐっていた。近習の多くはみなともの方に陽の直射を浴びている。川舟なので屋形やかたは小さかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その側から、兵は、幕をひろげて、附近の松の木や合歓ねむの木の幹へ張りめぐらし、それのない所には、幕杭まくくいを打ち込んで、またたくうちに一囲ひとかこいの幕屋を作った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)