“一帯”のいろいろな読み方と例文
旧字:一帶
読み方割合
いったい80.0%
いつたい20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鵯の止っている栗林は夕空に頭を揃えていて、一帯いったいに空気が沈んで、寂寞ひっそりとしていて悲しそうな景色であった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かくの如く国を限ったドナウが西方にだんだん細くなって行くのを僕は見ている。僕のりさける国は一帯いったいの平原であるが、平原に村落があり、丘陵が起伏し、森林の断続がある。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
砂山のそはが松の根に縦横に縫はれた、殆ど鉛直な、所々中窪なかくぼに崩れた断面になつてゐるので、只はてもない波だけが見えてゐるが、此山と海との間には、一筋の河水と一帯いつたい中洲なかすとがある。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)