“いったい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一体58.1%
一躰14.0%
一帯9.3%
元来4.7%
一堆4.7%
一袋2.3%
一隊2.3%
一験2.3%
全体2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体いったいこの人の平素ふだん住んでいるのは有名なブッシュというところで、此処ここには美術学校もあるし、この土地はこの人にって現われたので
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
一躰いったい自分の以前には如何どんな人が住んでおったかと訊ねたが、初めの内はげんを左右にして中々なかなかに真相を云わなかったがついにこう白状した、そのはなしによると
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
かくの如く国を限ったドナウが西方にだんだん細くなって行くのを僕は見ている。僕のりさける国は一帯いったいの平原であるが、平原に村落があり、丘陵が起伏し、森林の断続がある。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「エ、元来いったい何をしに来るのだ? 乃公おれの見舞に来るのか。娘の御機嫌きげんを取りに来るのか、エ? 返事をせえ!」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
オルカニヤの作といい伝えている画に、死の神が老若男女、あらゆる種々の人を捕え来りて、帝王も乞食もみな一堆いったいの中に積み重ねているのがある、栄辱えいじょく得失もここに至っては一場の夢に過ぎない。
我が子の死 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
藍子の身が、いとおしかったら、二日のうちに、砂金一袋いったいを持って、うけとりに来い。その日が過ぎたら、女の体は、おれが自由にしていると思え。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一験いったいどうすればいんで、早く言っておくれ」
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
何の不義理な事も不人情な事もないもんじゃ。全体いったいこんな病気のした時ゃの、嫁の実家さとから引き取ってええはずじゃ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)