“ひとむれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒトムレ
語句割合
一群83.1%
人群7.0%
一簇4.2%
一叢1.4%
一屯1.4%
一羣1.4%
一隊1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一群ひとむれに言はせると、蓮太郎の演説はあまり上手の側では無いが、然し妙に人をひきつける力が有つて、言ふことは一々聴衆の肺腑を貫いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
伝法院でんぽういんの塀をはなれて池のふちへ出たところで、左の方から来る人群ひとむれの中に、友禅ゆうぜん模様の羽織はおりを着た小女こむすめ見出みいだした。彼はしずかにその方へ寄って往って、その顔をじっと見ながら微笑を送った。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
萌黄もえぎに敷いた畳の上に、一簇ひとむれの菫が咲き競ったようになって、朦朧もうろうとした花環の中に、就中なかんずくりんの大きい、目に立つ花の花片が、ひらひらと動くや否や、立処たちどころに羽にかわって、蝶々に化けて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは一叢ひとむれの松林で、わたしは去年遊びに来て知っていたが、今も壊れた石馬せきば河端かわばたにのめって、一つの石羊せきようが草の中にうずくまっていた。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
粟生あわうの光明寺に、長州方の浪人隊が一屯ひとむれいるという。土民の話なので、しかとあてにならない気もしたが
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
オヤとおもつて、窓外まどのそとながめると、今宵こよひ陰暦いんれきの十三月明つきあきらかなる青水せいすい白沙はくしや海岸かいがんには、大佐たいさ部下ぶか水兵等すいへいらは、晝間ひるま疲勞つかれこのつきなぐさめんとてや、此處こゝ一羣ひとむれ彼處かしこ一群ひとむれ詩吟しぎんするのもある。
狩猟かり一隊ひとむれが野営を始めるとき
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)