“一簇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとむら36.4%
ひとむれ27.3%
いっそう18.2%
いちぞく9.1%
いつそう9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小さな島の中に一簇ひとむらの楼舎があった。魚はそこへ飛びおりた。侍女の一人がもうそれを見ていて大声で言った。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
見ると、城市の門まで、道は塵もとめず掃き清められ、たちまち、彼方から錦幡きんばん五色旗をひるがえして、一簇ひとむれの人馬がすすんで来る。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の道人の店頭にも一簇いっそうの人が立っていた。白娘子はその道人だと云うことを教えられると、そのまま走って往った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
自分は驚いて、あわてて、寝衣ねまきの儘、前の雨戸を烈しく蹴つたが、さいはひにもしきゐみぞが浅い田舎家ゐなかやの戸は忽地たちまちはづれて、自分は一簇いちぞくの黒煙と共に戸外おもてへと押し出された。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
みねあり、てんさへぎり、せきあり、とざし、うますゝまず、——うますゝまず。——孤影こえいゆきくだけて濛々もう/\たるなかに、れば一簇いつそうくも霏々ひゝとしてうすくれなゐなるあり。かぜたゞようてよこざまにいたる。れぬ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)