一簇ひとむれ)” の例文
見ると、城市の門まで、道は塵もとめず掃き清められ、たちまち、彼方から錦幡きんばん五色旗をひるがえして、一簇ひとむれの人馬がすすんで来る。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
萌黄もえぎに敷いた畳の上に、一簇ひとむれの菫が咲き競ったようになって、朦朧もうろうとした花環の中に、就中なかんずくりんの大きい、目に立つ花の花片が、ひらひらと動くや否や、立処たちどころに羽にかわって、蝶々に化けて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
海鳥かいてう一簇ひとむれ物珍ものめづらしさうその周圍めぐり飛廻とびまわつてる。
しかしまた、一里も行くと、一簇ひとむれの軍勢が奔突ほんとつして
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)