“いっそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イッソウ
語句割合
一層39.0%
一艘33.0%
一掃9.0%
一双5.0%
逸走3.0%
一叢2.0%
一槍2.0%
一簇2.0%
一匝1.0%
一噌1.0%
(他:3)3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「よう、ご健康を祝します。いい酒です。貧乏びんぼうぼくのお酒はまた一層いっそうに光っておまけにかるいのだ。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そこへひょっこりかおした弟子でし藤吉とうきちは、団栗眼どんぐりまなこ一層いっそうまるくしながら
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
一艘いっそうの船を独創したことは事実であるが、それを首尾よく運送して、初航海を無事にここまで安着せしめた成功の大半は
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
白い扇子をパチパチ言わせながら、「世が世なら伝馬てんま一艘いっそうも借りて押出すのになあ」と嘆息するおいの太一が居る。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
赤羽主任は、それをチラと見るや、たちまちにして脳裡にわだかまっていた疑問を一掃いっそうし得ることが出来たのだ。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いかに官軍側の急追が怒濤の急であったかわかる。またすでに、敗残の賊軍などただ一掃いっそうのみとしていたかもわかる。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時参考品御物ぎょぶつの部に雪舟せっしゅう屏風びょうぶ一双いっそう琴棋きんき書画をえがきたりと覚ゆ)あり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一双いっそう屏風びょうぶの絵は、むら消えの雪の小松に丹頂たんちょうの鶴、雛鶴ひなづる
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし残念なことに、やがてこの『赤外線男』はこっちに気がついたものと見え、キッと歯をむいて怒ったような顔をしたかと思うと、ツツーっと逸走いっそうを始めた。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
燃えさかる数艘の巨火きょかへ、さらにさんざん矢や小銃をうち浴びせて、九鬼船隊はすばやくたん方面へ逸走いっそうした。——毛利方の水軍は、してやられたりといきどおって、
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年若き貴婦人いくたりか乗りたれば、さまざまのきぬの色相映じて、花一叢いっそう、にしき一団、目もあやに、立ちたる人の腰帯シェルベ、坐りたる人のぼうひもなどを
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
隅屋すや新左、恵美えみの正遠、河原九郎正次など、いずれも兄の手勢の者だ。——すぐこのさきの一叢いっそうの林に、正成以下みな旗を伏せて、しばし戦機を見つつ一ト息入れておられるという。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と鉄砲組の狙撃そげきを制して、一槍いっそうをもって立ちむかい、ついに突き伏せてその首級をあげた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まがものの神尾主膳であった折助の権六を一槍いっそうもとに床柱へ縫いつけた時、主膳の同僚木村は怒り心頭より発して、刀を抜き放って竜之助に斬ってかかったが、もろくもその刀を奪い取られて、あっというまに首を打ち落されてしまったから、一座はふるえ上ってしまいました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五竜岳の崔嵬さいかいに続いて鹿島槍ヶ岳の峰頭には、白毛の如き一簇いっそうの雲がたむろしている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
の道人の店頭にも一簇いっそうの人が立っていた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
また富士山の「御中道めぐり」と称して、山腹の五、六合目の間を一匝いっそうする道がある。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「まあ、そんなもんじゃな。だが、一噌いっそうでなし千野流ちのりゅうでなし……どなたに師事つかれたの」
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
但し右御米御買入にても相成り候儀に候はば、さいわいかねて御国産陶器類、製練所御用のさらさ形木綿等、取揃方御用承り度く……その段すでに旧冬来工藤左門くどうさもんを以て内願仕り候しもせき竹崎浦たけざきうら(清末家町人大年寄づとめ)白石正一郎と申す者へ、江戸一左右いっそう次第、急速御買米手付金渡させられ、その儀命ぜられ候はば、屹度きっと閉密に相働き申すべき人物に御座候。
志士と経済 (新字新仮名) / 服部之総(著)
農としては出水を憂うべきだが、遊び好きなる事に於て村の悪太郎あくたろう等に劣るまじい彼は、畑を流るゝ濁水だくすいの音颯々さっさつとして松風の如く心耳しんじ一爽いっそうの快を先ず感じて、しり高々とからげ、下駄ばきでざぶ/\渡って見たりして、其日りに水が落ちて了うのをつねに残念に思うのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ちょうど「空」といい「不」というも、それが一相いっそうではなく無相むそうを指すのと同じ意味である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)