“一艘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっそう82.9%
いつさう9.8%
いつそう4.9%
いっぱい2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤い毛氈もうせんを敷いた一艘いっそうの屋形舟は、一行を載せ、夏の川風に吹かれながら、鮎やはえなどの泳いでいる清い流れの錦川をさおさして下った。
御萩と七種粥 (新字新仮名) / 河上肇(著)
一艘いつさう造りあげるまでに職工は何人死ぬちふ予算がちやんとしてあるだ。死ねばたつた三百円貰ふきりだ。後に残つた家族が貰ふだ。
ある職工の手記 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
弦月丸げんげつまる運命うんめい最早もはやぷん、二ふん甲板かんぱんにはのこ一艘いつそう端艇たんていい、くなりては今更いまさらなにをかおもはん、せめては殊勝けなげなる最後さいごこそ吾等われらのぞみである。
こんな小さなうちだって、これはたとえば、電気のぼたんだ。ひねる、押すか、一たび指が動けば、横浜、神戸から大船が一艘いっぱい、波を切って煙をくんだ。喝!
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)