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一掃
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いっそう
ふりがな文庫
“
一掃
(
いっそう
)” の例文
何者か、
性急
(
せっかち
)
に彼の実行をせき立てるのが感じられました。機会が到来したという考えが、彼の雑念を立所に
一掃
(
いっそう
)
して了いました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それまではたれにも
澱
(
おど
)
んでいた
一抹
(
いちまつ
)
の
危惧
(
きぐ
)
だったものも、
恩怨
(
おんえん
)
すべて、尊氏のことばで、すかっと、
一掃
(
いっそう
)
された感だった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この放送は、これまでの矛盾にみちたいろいろの報道にはっきりした
終止符
(
しゅうしふ
)
をうち、一部の塾生の頭にまだいくらか残っていた義軍の観念を
一掃
(
いっそう
)
するに役だった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
赤羽主任は、それをチラと見るや、
忽
(
たちま
)
ちにして脳裡に
蟠
(
わだかま
)
っていた疑問を
一掃
(
いっそう
)
し得ることが出来たのだ。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれどもです、貴族と富豪と僧侶とは確実にこの地面の上から、この……地面の上から
一掃
(
いっそう
)
され……
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
ここの細君は今はもう暗雲を
一掃
(
いっそう
)
されてしまって、そこは女だ、ただもう喜びと安心とを心配の代りに得て、
大風
(
たいふう
)
の
吹
(
ふ
)
いた後の心持で、主客の間の
茶盆
(
ちゃぼん
)
の位置をちょっと直しながら、軽く
頭
(
かしら
)
を下げて
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
出兵を確実にさせる為には、彼等の内部にある異分子の
一掃
(
いっそう
)
は、むしろ、急がすべきであるとすら考えたのであった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よしッ! この元気でもって、帝都市民の生活を
脅
(
おびや
)
かすあらゆる悪漢どもを
一掃
(
いっそう
)
してやろう」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして
瞬
(
またた
)
く
間
(
ま
)
に十人の的が、地平線から
一掃
(
いっそう
)
されてしまった。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一掃
(
いっそう
)
したと思ったのに、遠方の大掾国香などという
末端吏
(
まったんり
)
から、おもしろくもない厄介者を添え
文
(
ぶみ
)
して向けてよこし、舌打ちをもらしたことではあったが、平良持の子というので
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山科
(
やましな
)
にいた
高
(
こう
)
ノ
師泰
(
もろやす
)
の一陣さえ、ひとたまりなく
一掃
(
いっそう
)
されてしまい、三井寺の崩れの中へ、さらに敗走兵を大きく加えて、ごった返しに、三条口までの坂道を、黒い流れが、逃げおめいて行った。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またすでに、敗残の賊軍などただ
一掃
(
いっそう
)
のみとしていたかもわかる。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“一掃”の意味
《名詞》
一掃(いっそう)
綺麗に(一度に)払い退けること。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
掃
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“一掃”で始まる語句
一掃蕩