“ひとむら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒトムラ
語句割合
一叢83.7%
一村4.3%
一簇4.3%
一群3.3%
一反2.2%
一聚落1.1%
一邑1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松があって雑樹が一叢ひとむら、一里塚の跡かとも思われるのは、妙に低くなって、沈んで島のように見えた、そこいらも水があふれていよう。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
敵は此の一村ひとむらいて隣村に居ります、わずかに八里山を越すと、現に敵が居りながら、女の細腕で討つことが出来ません、先方は浪人者で、わたくしの父はそまをいたして居りましたが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
踏分々々ふみわけ/\たどりゆきて見れば人家にはあらで一簇ひとむらしげりなればいたく望みを失ひはや神佛しんぶつにも見放みはなされ此處にて一命のはてる事かと只管ひたすらなげかなしみながら猶も向を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ヱズヰオの山の姿はたとへば焔もて畫きたる松柏の大木の如し。直立せる火柱はその幹、火光を反射せる殷紅あんこうなる雲の一群ひとむらはその木のいたゞき、谷々を流れ下る熔巖ラワはそのひろく張りたる根とやいふべき。
若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ひとむら上帛はたを、夜の更けるのも忘れて、見讃みはやして居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
福人ふくじんなりとて売薪者たきぎうりを急に一聚落ひとむらおさに封ぜられしとぞ。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その九日の今一つの特徴は、それが一邑ひとむらの戸外の祭というよりも、家の中の歓喜であったことで、これはただ食料の最も豊富な時だから、飲食を以て儀礼の主要部とした結果であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)