“いっそん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一樽33.3%
一村33.3%
一孫16.7%
一尊16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あすはひのきの木とかや、谷の老木のいへることあり。きのふは夢と過ぎてあすはいまきたらず。生前一樽いっそんの楽しみのほか、明日は明日はと言ひ暮して、終に賢者のそしりを
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
伝吉は信州しんしゅう水内郡みのちごおり笹山ささやま村の百姓の一人息子ひとりむすこである。伝吉の父は伝三と云い、「酒を好み、博奕ばくちを好み、喧嘩けんか口論を好」んだと云うから、まず一村いっそんの人々にはならずもの扱いをされていたらしい。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
太郎氏は以前から「全休庵楠系」の一孫いっそんといっていた人である。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入口の石段を、二三級のぼると、扉が開いているので、中が見える。中は思ったよりも、まだ狭い。正面には、一尊いっそんの金甲山神が、蜘蛛くもの巣にとざされながら、ぼんやり日の暮を待っている。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)