一群ひとむら)” の例文
足も行かれぬ崖の上や、巌の腹などに、一群ひとむら一群咲いて居るのが、奥山の春は今だ、となのって居るようである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ヱズヰオの山の姿はたとへば焔もて畫きたる松柏の大木の如し。直立せる火柱はその幹、火光を反射せる殷紅あんこうなる雲の一群ひとむらはその木のいたゞき、谷々を流れ下る熔巖ラワはそのひろく張りたる根とやいふべき。
一群ひとむら毎に埃がちいこふに堪へぬ惡草あくさう
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)