“一反”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いったん46.2%
ヒトムラ23.1%
ひとそ15.4%
ひとむら15.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「——あの人が無事でいたら、わたしもどんな工面くめんしても、こんなのを一反いったん仕立てて、今年のあわせに、着せてやりたいが……」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或いは親々はそれがあまりに嬉しいので、ちょうどその一反いったんの織り上がる頃には、自然に快く死んでしまう気にもなったろうかと思うばかりである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この間、ある百貨店へ木綿を一反いったん買いに参りましたが、木綿のいいのが少しも見当らないのでガッカリしました。
着物雑考 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
粗末ではあるが春着にでもと送ってくれた一反いったん山繭やままゆが、丁度お目見得の晴着となったのであった。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ここだと思って力を込めて一反いったん飛び上がっておいて、そして小石か何ぞのように未練なく落ちてしまいました
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
モチの夜の月がえて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ヒトムラ上帛ハタを、夜の更けるのも忘れて、見讃ミハヤして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
望の夜の月が冴えて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ヒトムラ上帛ハタを、夜の更けるのも忘れて、見讃ミハヤして居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
望の夜の月が冴えて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ヒトムラ上帛ハタを、夜の更けるのも忘れて、見讃ミハヤして居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
現にその日も万八まんぱちの下を大川筋へ出て見ますと、大きく墨をなすったような両国橋の欄干らんかんが、仲秋のかすかな夕明りをゆらめかしている川波の空に、一反ひとそった一文字を黒々とひき渡して
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そうだおれもそう思う事があるて……。落ち目になったら最後、人間は浮き上がるがめんどうになる。船でもが浸水し始めたららちはあかんからな。……したが、おれはまだもう一反ひとそってみてくれる。死んだ気になって、やれん事は一つもないからな」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
望の夜の月が冴えて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ひとむら上帛はたを、夜の更けるのも忘れて、見讃みはやして居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
望の夜の月が冴えて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ひとむら上帛はたを、夜の更けるのも忘れて、見讃みはやして居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)